信濃 小諸城

お城のデータ
所在地：	長野県小諸市古城
遺　構：	曲輪、天守台、現存門、石垣、土塁、堀
形　式：	平山城	築城者：	武田信玄	築城年代：	天文23年

見　ど　こ　ろ

（ 大 手 門 ） （ 二の門跡 ） （ 二の丸虎口 ） 　小�ｩ城は、「穴城」と呼ばれている。資料に掲載された縄張り図を見ても、なぜ「穴城」なのか今一分からなかった。 　現地を訪れてみて、城下町のある台地から千曲川へ向かって傾斜地となっていて、その先端部に小�ｩ城が築かれている。一般的に「城下町から天守が聳えるお城は見上げるもの」なのだが、これでは小�ｩ城は城下町から城がどこにあるのか分かりづらいのだ。故に「穴城」なのだ。 　小�ｩ城の縄張りは、左右対称のように両側に谷がそれぞれ二筋入り込む地形を利用して、千曲川に向けて三の丸・二の丸・本丸と一直線に並ぶ。　 　鍋蓋城は大手を守る鍋蓋曲輪となり、大手口から坂を下ると桝形状になった正面に大手門が構えられている。大手門は、以前は民家として利用されていたが、現在は元の状態に修復されている。装飾のない質実剛健の櫓門は、弘前城大手門と双璧をなすとか。 　懐古園の正門となっている三の門を入り、坂を登ると枡形となっている二の門を通ると二の丸・南の丸・北の丸となっている。この辺りが大井氏時代の乙女城があったところのようだ。紅葉谷と呼ばれる堀切を渡ると外枡形となっていた黒門(一の門)を経て本丸正門(平拾門)に至る。 　本丸は二段に分かれ、懐古神社境内となっている石垣に囲まれた本丸上段があり、北西隅に突き出したように天守台があり、かつては三層の天守が聳えていたとか。本丸下段は馬場と呼ばれ、城内でも比較的広い曲輪となっていた。

歴　　　　　史

（ 天 守 台 ） （ 馬場側の本丸石垣 ） （ 裏口付近の石垣 ） 　小�ｩ城は、天文23年に佐久を制圧した武田信玄が大井氏の築いた鍋蓋城と支城の乙女城があった地に鍋蓋城も含めた城塞に拡大修築し、小山田昌行を守将とした。弘治2年に信玄は甥の武田信豊を城主とした。 　天正10年に武田氏滅亡すると小�ｩ城は、織田信長の重臣滝川一益の所領となり、甥の道家正栄が入った。 　本能寺の変後、滝川一益は本領伊勢へと退去した後、北条氏が佐久へと進出して、小�ｩ城へは大道寺政繁を置いた。その後、北条・徳川氏の和議により佐久の地は徳川氏の所領となり、岩尾城攻めで戦死した依田信蕃の子康国が城代となった。 　天正18年、家康の関東移封により小�ｩ城は仙石秀久に与えられ50,000石を領した。秀久は、武田氏が築いた小諸城を慶長19年に死去するまで近世城郭へと大改修を行った。 　元和8年、秀久の子忠政が信濃上田城へと移り、美濃大垣より松平(久松)憲長が50,000石を領して入った。小諸城は関東への入口に位置するため、徳川譜代の守る城となり、松平・青山・酒井・西尾・松平氏が続いて入り、元禄15年に越後与板より牧野康重が15,000石で入封。以後牧野氏が代々小諸城主として明治に至った。

お城へのアクセス
鉄　道：	しなの鉄道小諸駅〜徒歩約300m（懐古園入口）
車　：	上信越道小諸ＩＣ〜県道79号線〜国道141号線
駐車場：	懐古園の有料駐車場を利用

ひとくち ＭＥＭＯ

城下町よりもお城が低い独特な縄張り「穴城」のお城。

小�ｩ城の縄張図（現地案内板より）

小�ｩ城の城門移築先 黒門（一の門） 正眼院 ： 長野県小諸市八満 足柄門 光岳寺 ： 長野県小諸市荒町１丁目

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