肥後 久玉城

お城のデータ
所在地： 熊本県天草市久玉町吉辺川
遺　構： 曲輪、石垣、土塁、土橋、井戸、堀切
形　式： 丘城 築城者： 久玉氏 築城年代： 不明


見　ど　こ　ろ
（ 大手枡形の石垣 ）
（ 曲輪①の内桝形石垣 ）
　久玉城は、権現山から久玉浦に向かって南へと伸びる尾根の先端部を利用して築かれている。往時は、先端部に久玉城大手口付近まで久玉浦が入り込んでいたとか。

　久玉城は、北から続く尾根筋を一条の堀切で遮断線とし、尾根の最高所に主郭(曲輪⑤)を置き、ここから馬蹄形に分かれた二つの尾根上に曲輪を階段状に並べ、間の谷間にも曲輪を配置した縄張りとなっていて、城の北側にある無量寺境内が城主居館があったとされている。

　主郭から東へ向かう尾根に築かれた曲輪⑧～⑪は、久玉・天草氏時代の久玉城遺構で、主郭から南の尾根に築かれた曲輪①～④、大手口から二つの尾根に挟まれた曲輪⑦と曲輪⑫～⑮の曲輪は寺沢時代に改修を受けた遺構と云われ、大手枡形の石垣、曲輪①の内桝形虎口と南側の高石垣、曲輪②の石垣など近世城郭の遺構を見ることができる。
（曲輪の番号は現地案内板の縄張図による）


歴　　　　　史
（ 曲輪④と土橋 ）
（ 曲輪⑤背後の堀切 ）
　久玉城は、築城年代は定かではないが久玉氏によって築かれた。久玉氏は、天草氏の一族とされ、明応10年の天草一揆談合覚書に天草の主要八家に久玉氏も数えられてる。その後、河内浦城の天草氏に服属したと考えられ、河内浦城の支城となっている。

　永禄12年、天草鎮尚が南蛮貿易の利益享受のためにキリスト教の布教を許すが、これに反対した鎮尚の二人の弟(天草大和守・刑部大夫)は、島津義虎や相良義陽の支援を受けて久玉城を拠点に反抗した。しかし、天正2年に兄天草鎮尚によって鎮圧され、

　慶長5年の関ヶ原で敗れた小西行長は改易となり、翌年に天草は肥前唐津の寺沢広高に与えたれた。寺沢氏は、飛地領天草の拠点として富岡城を築城すると共に、島内の統治拠点として大改修が行われた。


お城へのアクセス
鉄　道： 熊本桜町ＢＴ～本渡ＢＴ～バス／久玉
　車　： 九州道松橋ＩＣ～国道266号線
駐車場： なし（登城口前に2台程度の駐車スペースあり）


ひとくち ＭＥＭＯ
中世城郭と近世城郭両方の遺構を合わせて見ることができるお城。

熊本県のお城一覧表へ トップページへ

九州のお城
| 福岡県｜佐賀県｜長崎県｜大分県｜熊本県｜宮崎県｜鹿児島県｜沖縄県｜