常陸 戸村城

お城のデータ
所在地：	茨城県那珂市戸字下宿
遺　構：	曲輪、土塁、横堀
形　式：	平城	築城者：	戸村能通	築城年代：	永暦元年

見　ど　こ　ろ

（ 四の曲輪西側の土塁と横堀 ） 　戸村城は、那珂川左岸に面した河岸段丘端を利用して築かれている。那珂川対岸にある那珂氏の居城那珂西城と共に、那珂川の渡河点と水運を抑える城として機能していた。 　戸村城は、河岸段丘崖に面して北城・御城・南城と三つの曲輪が南北に並ぶ。更に、この三つの曲輪の東側に四の曲輪と五の曲輪が南北に配置された縄張りとなっている。これらの曲輪群は、それぞれ独立した土塁と堀が囲繞した方形の曲輪で、秀郷流戸村氏の築いた城を佐竹流戸村氏が戦国時代に拡張した証しとか。宅地化により消滅した部分の多いが、戸村地区の随所に遺構が残っていた。

歴　　　　　史

（ 北城北側の土塁と横堀 ） 　戸村城は、永暦元年に戸村能通によって築かれた。藤原秀郷の子孫那珂通泰の弟能通が戸村を分知され戸村氏を称した。戸村氏は、南北朝時代には同族那珂西城主那珂通辰と共に南朝方に与し、瓜連合戦で敗れて滅亡した。 　その後、12代佐竹義人の子義倭は府中城主大掾満幹の養子となっていたが、実家に戻って戸村城に入り戸村氏を称した。義倭には継嗣なく13代義俊の子義易が跡を継いでいる。慶長7年、戸村義国は佐竹氏の出羽移封に従って出羽へと移り、戸村城は廃城となった。尚、出羽に移った戸村氏は、横手城代を代々務めて明治を迎えている。

お城へのアクセス
鉄　道：	ＪＲ常磐線水戸駅〜バス／戸村下宿
車　：	常磐道水戸北SIC〜県道63号線〜県道102号線
駐車場：	宿農村集落センターの無料駐車場を利用

ひとくち ＭＥＭＯ

対岸の那珂西城と連携して那珂川の渡河点と水運を抑えたお城。

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