遠江 掛川城

お城のデータ
所在地：	静岡県掛川市掛川
遺　構：	復元天守、太鼓櫓、復元櫓門、四脚門、御殿、曲輪、堀、土塁
形　式：	平山城	築城者：	朝比奈泰�X	築城年代：	永正９年

見　ど　こ　ろ

（ 復元された天守 ） （ 太 鼓 櫓 ） （ 大 手 門 ） （ 油山寺山門 ） 　掛川城は、近江長浜から掛川に入った山内一豊が近世城郭へと大修築した城だ。豊臣系大名であった一豊の修築プランは、東海道を押さえ、家康の居る関東、即ち東の方面の防御が重視されたものだった。 　掛川城の縄張りは、掛川古城を外郭として取り込みながら、古城のの西側に位置する小高い城山に天守丸と本丸を置き、東側に二の丸・三の丸・松尾曲輪を配置している。更に東に山下曲輪・大手曲輪、北に竹の丸、西に中の丸・内曲輪を配している。 　現在は、堀は埋め立てられ殆どの曲輪が市街地化している。松尾曲輪は、城の南を流れる逆川の河川改修に伴う流路変更により跡形も無く消滅している。 　本丸・二の丸・三の丸一帯が公園化され、山内一豊築城当時の天守を正保城絵図に基づいて木造で復元されている。本丸門南側の荒和布櫓があった場所には、かつて三の丸にあった三層の太鼓櫓（二層に改築）が移築され現存している。 　本丸門前には、発掘調査に基づいて三日月堀・十露盤堀が整備され、四脚門が復元されている。また、三の丸の南側には大手門と大手門番所が復元されていた。かつて二の丸と三の丸の間にあった玄関下御門は、油山寺に移築され現存している。 　掛川城の二の丸には二の丸御殿が現存している。全国でも御殿が現存しているのは二条城・川越城など数城しかなく、城主の住居と藩庁として使用されてたもので、煌びやかさはないが、今も残る数少ない御殿建築の遺構だ。 　御殿の縁側に立ち、本丸に建つ天守を眺めると、城主になったような気分になれる。また、御殿の東側には目隠しの意味もあった高土塁（黒土塁）の遺構が良く残っていた。

歴　　　　　史

（ 二の丸御殿 ） （ 二の丸黒土居 ） （ 三日月堀 ） 　掛川城は、永正９年に今川氏の重臣朝比奈泰�Xがそれまでの砦を城の規模へと大改修した。 　永禄１１年、武田信玄と徳川家康は共同して今川氏真を攻め、駿河・遠江の分割を図る。駿府城を捨てた氏真は、朝比奈泰朝の掛川城に籠もる。家康との和議が成立して氏真は北条氏を頼り、今川氏は滅亡した。 　永禄１２年、石川家成が掛川に入城する。家康の関東移封により上総成戸へ移り、天正１８年に近江長浜から山内一豊が入封し、今の掛川城へと大修築を行う。 　関ヶ原の役後、山内氏は土佐高知に移り、替わって松平定勝が３万石で入り、元和３年には２代定行が伊勢桑名へと移り、掛川は家康の十男頼宣の所領となると付家老安藤直次が入った。 　元和５年に頼宣が紀伊和歌山へと移ると、付家老安藤直次もまた紀伊田辺へと移り、掛川には松平定綱が常陸下妻から３万石で入った。この定綱の時、慶長９年に地震で倒壊した天守を再建している。 　元和９年に定綱は山城淀へと移ると、後は徳川譜代の青山・本多・北条・井伊・小笠原氏と目まぐるしく城主は替わる。延享３年、上野館林より太田資俊が５万石で入封して、明治まで７代掛川城主として続く。

お城へのアクセス
鉄　道：	ＪＲ東海道本線掛川駅〜徒歩約５分
車　：	東名掛川ＩＣ〜県道３８号線〜県道３７号線
駐車場：	三の丸跡に駐車場あり、大手門南側に有料駐車場あり。

ひとくち ＭＥＭＯ

全国でも数少ない御殿（書院）の遺構が残るお城。

掛川城の縄張図（現地案内板より）

掛川城二の大手門の移築先 油山寺 ： 静岡県袋井市村松

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